焦点 臨床看護に関する研究の動向と今後の課題(Ⅱ)—20世紀から21世紀へ向けて
腎不全患者のケアに関する研究の動向と今後の課題—新世紀へ向けて
江川 隆子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.273-280
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900563
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はじめに
過去10年間に看護大学や修士,博士の課程の創立があいついでいる。そして,看護研究や看護実践に関する教育は,従来よりずっと科学的な方法で教育されるようになってきた。また最近では,日本でも各専門領域での看護学会の設立や専門看護師認定制度に関して非常に積極的であることは周知の通りである。このような傾向のなかで,看護研究は,めざましく成長している。しかしながら,看護実践が科学としてさらに発展するためには,現象を理解するだけでなく,看護援助(行為)の効果が測られる必要がある。そのためには,看護研究が今日までの基礎研究を基盤にして,さらに看護援助(行為)が患者の問題にどのような効果をもたらすかといった応用研究を発展させることが重要である。特に,看護基礎教育でもマイナーな領域である腎不全看護がさらに専門性を目指すためには,その実践の基礎となる科学的な知識体系をより一層発展させることが重要となる。
そこで,ここでは日本腎不全看護学会およびその前身である日本腎不全看護研究会の研究発表およびMedlineからの研究論文を通して,また著者の経験を含めて,今後の腎不全患者のケアに関する研究とその課題について述べる。
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