焦点 災害看護学の構築に向けて・Ⅱ
災害看護学教育と意識の災害モードへの切り換え
山本 あい子
1
1兵庫県立看護大学(母性看護学)
pp.217-220
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900505
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はじめに
1995年に発生した阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件の体験から,災害に対する備えの重要性が認識されている。各医療施設や機関,あるいは学問領域においては,さまざまな側面から災害に対する取り組みが続けられている。看護界においても,災害看護学構築への努力や,看護教育の中に災害看護学を取り入れる等の動きが見られている。
看護教育の中の災害看護学教育を考える時,教育課程の違いによって(学部教育,大学院教育,現任教育など),教育目標や内容をどのように設定するかが異なるであろう。一つの識別として,ジェネラリスト育成を目的とする学部教育では,災害のイメージ作りと災害時の第一義的活動を学び,また現任教育ではボランティア看護婦としての活動も含めて災害時に実際に活動できる看護職を養成する。これに加えて大学院教育では,必要とされる看護ケアを提供できることはもちろんであるが,他組織や他職種との連携の作り方など組織的な動きや体制作りなどもできる専門看護師の育成が期待できよう。
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