焦点 災害看護学の構築に向けて・Ⅰ
文献からみた災害看護学の現状
佐藤 貴美子
1
,
片田 範子
2
,
伊藤 ひろみ
3
,
井部 俊子
3
,
片田 範子
3
,
上泉 和子
3
,
佐藤 貴美子
3
,
新道 幸恵
3
,
増子 ひさ江
3
,
南 裕子
3
,
山本 あい子
3
,
渡辺 智子
3
1横浜市立大学医学部附属病院
2兵庫県立看護大学
3日本看護科学学会災害看護研究特別委員会
pp.287-296
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900460
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はじめに
災害は予想もなく突然発生するが,その災害の種類や発生状況から,被災者への救護・看護支援の方法は異なる。これまで,わが国における災害は,奥尻島の地震・津波や雲仙普賢岳の火砕流・土石流などの自然災害,御巣鷹山の日航機墜落事故のような人的災害など多くまた多様な災害が発生している。まだ記憶に新しいものでは,1995年に発生した阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件のような未曾有の災害がある。
看護職はこのような災害に際して,積極的に救援,看護活動を行なってきた。しかし,それぞれの現場においては,これらさまざまな体験が存在したのにもかかわらず,わが国の看護界には災害に対する体系だった知識や実践的訓練の整備が十分ではないこと,災害看護のエキスパートがいないこと,また,災害看護を探求する研究ネットワークがないという現実が明らかにされてきた。
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