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日本看護科学学会は,創立30周年を迎えました.本学会の会員数は設立時の正会員(185名)の38倍を超える6,847名(正会員6,831名,名誉会員11名,賛助会員5件 2012年(平成24年)7月31日現在)に達しています.
30年の歩みを振り返る時,本学会の発展がわが国の看護学の発展と呼応していることを強く思います.例えば,設立直後の1982年(昭和57年)より,いち早く,文部省科学研究費対策委員会を発足し,日本学術会議への登録申請,科研費分科・細目新設の申請を推進したことが,現在の日本学術会議における看護学分科会の創設や科研費分科・細目新設につながっていることがあげられます.また,学会設立の初期より,国際活動推進委員会を発足(1988年(昭和63年))し,看護系学会では初めての国際学術集会開催を重ね,グローバルな視点からわが国の看護学の発展を推進してきました.その成果は,わが国初の看護系英文雑誌となる「Japan Journal of Nursing Science(JJNS)」の創刊や,「世界看護科学学会(World Academy of Nursing Science(WANS))」を設立提案し,国内外の看護系の学会・団体への呼びかけにより,世界看護科学学会発起会と第1回学術集会(2009年(平成21年))の開催に至っていることがあげられます.さらには,他の学問分野を含め,本学会が学術団体としては希少である公益社団法人の認定(2010年(平成22年))を受けたことがあげられます.「看護学の発展を図り,広く知識の交流に努め,もって人々の健康と福祉に貢献する」ことを目的に行っている活動が,社会的に「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」という公益性のある事業と位置付けられたことになります.本学会は,社会的信頼と責任のもとに,税の優遇措置をうけることができ,公益活動をより活発に推進することができます.公益性のある団体として組織化を遂げたことは,本学会のみならず,看護系関連団体が,看護学の学術性の充実を通して,さらに社会的に発展する方向性を指し示すものといえます.
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