連載 調査研究向上のために・11
看護調査研究の実際—尺度開発のプロセス
河口 てる子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.435-441
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900419
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前回までは,調査研究の分析に必要な基本的統計手法を述べてきました。その中で従来から使われている多くの統計手法が,間隔尺度の変数を適応としていることを述べました。調査研究でよく使われる名義尺度や順序尺度の変数を処理する統計手法は,数が限られ,しかも限界が大きく,また解釈がややこしいとの欠点があります。
そこで調査研究をやろうとする研究者が,名義尺度や順序尺度の質問を直接分析に用いるのではなく,間隔尺度を使いたいと希望するのは自然の成り行きです。もちろん,間隔尺度といっても身長とか体重とかの生理的尺度ではなく,ある概念を質問群で尺度化(間隔尺度の意)したものです。しかし,日本の看護界において尺度化された看護領域の概念は極端に少ないのが実情です。
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