連載 調査研究向上のために・12
看護調査研究の実際—尺度の信頼性検討
河口 てる子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.529-533
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900431
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前回は,オーソドックスな尺度開発の手順について,ステップ1の概念の明確化からステップ7の本調査までを説明しました。ステップ7の本調査のデータからは,尺度の信頼性と妥当性の検討をすることになります。今回は,信頼性の検討から信頼性係数を推定する4つの基本的な方法とその他の方法について説明します。4つの基本的な方法とは,再検査法,代替形式法,折半法,α係数による方法です。その他の方法としては,評定者間の一致度,因子分析による方法などがあります。
尺度の信頼性とは,その尺度が測定していると考えられる属性をどの程度一貫しで測定しているかということです。つまり,その尺度で測定を何度も繰り返した場合,どの程度同じ結果を示すかということです。信頼性は,尺度の安定性や一貫性,精度などが問題とざれますが,大きく分けると安定性,内的整合性,同等性の3側面があります。尺度の安定性をみる代表的方法は再検査法であり,内的整合性は折半法やα係数,そして主成分分析のθ(シータ)係数と因子分析のΩ(オメガ)係数です。同等性は,代替形式法と評定者間の一致度が挙げられます。
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