焦点 続・痴呆性老人の看護に関する研究
報告
痴呆性老人へのアクティビティケアの実際
櫻井 紀子
1
1特別養護老人ホームさくばらホーム
pp.277-283
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900351
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アクティビティケアの動機
特別養護老人ホームで老人と関わるようになって15年の歳月が流れた。この間,私自身に看護の広がりをもたらし看護観に栄養をつぎ込むことができたのは,痴呆性老人との出会いがあったからだと思っている。
創設当初50名でスタートしたとき,特別養護老人ホームが今日ほど痴呆性老人を受け入れることには積極的でなく,またそれが故に知識も,理解もない状況であった。慣れない職員集団ということもあり,職員の能力に合わせ,無理をしない受け入れをし,ケア職員の教育も兼ねて事業の実際に慣れていくという手段を講じたため,満床になるまでに3か月かかった。そんな中でも,入所依頼者を選り好みすることだけはしないことを確認し,どのような対象者にもチャレンジすることに職員の合意を得て取り組んでいった。
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