焦点 続・痴呆性老人の看護に関する研究
レビュー
痴呆性老人と介護者の相互作用に関する研究と課題
太田 喜久子
1
1聖路加看護大学
pp.271-276
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900350
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はじめに
痴呆性老人は,周囲の人々の関わり方いかんにより大変影響を受けやすい存在である。介護者の強い言葉と態度が痴呆性老人の混乱を増したり,反対に穏やかな接し方によって老人が落ちつきを取り戻すということは経験的にわかってきていることである。また,介護者にとっても,話が通じないなど痴呆性老人との相互作用がストレスの原因になっていることが多い。このような痴呆性老人と介護者への援助は,両者がより快適な日々を過ごすことをめざし,互いの相互作用がどのようであったらよいのかを念頭においたものでなければならないであろう。
しかし,このような痴呆性老人と介護者の相互作用の実態は,研究を通してどのくらい明らかになっているのだろうか。実態を踏まえた意図的な働きかけを導くために,今回は痴呆性老人と介護者との相互作用に焦点をあてた研究の検討を行なうことにした。
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