焦点 Grounded Theory Approach
解説
看護研究方法におけるGrounded Theory活用の動向—米国を中心に
片田 範子
1
1聖路加看護大学
pp.283-289
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900254
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看護研究を今ある我々の知識体系を膨らまし,豊かにしていくためであるととらえると,まだまだ,日常の看護現象には明らかにされていないものが数多くある。明確に手順が決まっていると思っているものでも,どのような根拠があるのかがわからないものも多い。Grounded Theoryは人間が相互にかかわり合っているその場から得られたデータを基に,そこにある心理社会現象を抽出し,帰納的・演繹的作業を繰り返しながら理論化していく手法である8,9)。Grounded Theoryの手法を用いて看護現象をとらえていくことは,今まで手がつけられていなかった分野で,そこに何があるのかを発見すること,よく知られている領域でも,新しい観点から現象をとらえなおすことを可能にする17,26,27)。
本稿では看護研究においてGrounded Theoryの手法を取り入れた研究の動向を検討する。まず全体的な動向を述べ,それから研究の進め方に沿ってまとめてみる。研究領域を含め,研究の焦点がどこに置かれているか,情報収集の方法,妥当性と信頼性がどのように確保されているか,そして今後への課題と進める。
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