プログレス
米国における生体力学研究の動向―アイオワ大学を中心として
中村 幸夫
1
1アイオワ大学
pp.453
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102388
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生体軟部組織と圧縮応力
褥瘡は古くからのテーマで,ベッド1),車椅子2),義肢3),靴4),その他に関する研究がある.接触面の圧力の測定結果報告が多いなかで,(i)柔らかい物の間に硬いセンサを入れると,もとの圧力分布を変えてしまう,(ii)軟部組織の表面よりも深部において高い応力を持つ場合が多い,などの反省に基づき,弾性力学,有限要素法による解析も行われている.
その際,ふつう軟部組織が非圧縮材料であることを仮定するが,体積変化が無いこと自体よりも静水圧に対しての歪応答が無いことが問題となる.すなわち,静水圧の未知定数を含むため,応力・歪関係式だけでは応力が定まらない.今後,この点と有限歪理論をふまえた研究5)が望まれる.
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