特集 フェミニスト・セオリーから看護を見直す 聖路加看護大学公開講座委員会編
第4章
可能性を探る:フェミニスト原理の課題への応用
Peggy L. Chinn
,
Charlene E. Wheeler
pp.447-458
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900097
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昨日は,様々なフェミニストの考え方に対するアプローチにはいろいろなものがあることを紹介しました。そして,看護における現在ある課題を再検討するにあたってフェミニストの観点を使うといかに有用なものであるかということを考えました。
本日は,もっと具体的なそれぞれのフェミニスト・セオリーに焦点を当てて,それをもとに,単に課題を再検討するということだけでなく,その先に進んでいきたいと思います。そして,新しい可能性を展望してみたいと思います。昨日私たちは,問題点を再検討する枠組みとしてフローレンス・ナイチンゲールの洞察を利用しました。その伝統を使って,私たち女性の[感情,知性,道徳行動が……行使できる[1]」社会を作り始めることを問題の中心と見なすことにしました。私たちは,まだ看護婦の経験があまり認識されない大衆文化にいます。つまり私たちは,自らの理想のもとに看護婦として働くことが難しく,ときには不可能な状況で働いているのです。そこで,フェミニズムの見地から問題を再検討したいま,私たちの挑戦は,私たちが暮らし,働く現実の状況を認識したうえて,新しい可能性を書き出し,未来を作ることなのです。"
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