学会だより 第45回日本電気泳動学会春季大会
電気泳動法の新しい応用と可能性を探る
門福 強樹
1
1昭和大学医学部第二生化学
pp.1102
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902613
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第45回日本電気泳動学会春季大会は,1995年6月2,3日の両日にわたって,昭和大学医学部第一生化学牧野義彰先生を大会長に開催された.日本電気泳動学会は,大会が春と秋に開かれ,東京またはその近郊で春季大会,秋には東京以外の都市で総会が開かれるのが恒例である.今回は東京・新宿の野口英世記念会館で開催された.大会の内容は,特別講演1,教育講演1,シンポジウム1(演題数4),ワークショップ1(演題数5),一般演題27題であった.
大会初日の午前には一般演題9題の発表があった.いずれも興味深い報告で,フロアからの質問が相次いだ.午後には大会長の司会で"生物・化学発光分析法の最近の進歩"と題した特別講演が,昭和大学薬学部辻章夫先生によって行われた.講演内容は発光を利用した物質の微量分析が主体であったが,普段あまり耳なれないゼプトモル(zeptomol:10-21mol)やヨクトモル(yochtomol:10-24mol)という単位がたびたび登場し,1分子の物質の検出も夢ではないと感じられるようなものであった.また,辻先生は分析法に対する姿勢として"3つのS"(sensitivity, selectivity,specificity),これに"2つのS"(simplicity, speed-ness)を加えた"5つのS"を常に頭に描いておられたそうであるが,この言葉は少なからず分析に携わるものとして非常に感概深いものであった.
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