連載 看護実践モデルの構築・評価・改善—その方法とプロセス・8
言語的表現が困難な脳性麻痺を有する子どもの痛み緩和ケアの開発と実践—実践モデルの構築に向けて
河俣 あゆみ
1,2
1三重大学医学部附属病院看護部
2三重大学医学部附属病院小児・AYAがんトータルケアセンター
pp.496-503
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202254
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はじめに
筆者は修士課程で重症心身障害児の術後疼痛緩和ケアを研究する中で,「痛みの履歴書」(片田,勝田,松林,2002,p.151)を使用し,先行研究をもとに重症心身障害児が示すとされるサインや痛みがあると感じた状況に対し,親とともに手術後の痛み緩和を目的とする事例介入研究を行った。その結果をもとにした小児看護実践を通し,重度の脳性麻痺を有する子どもは言語的表現が困難であることから,痛みを感じてサインを出していても親や医療者が捉えにくい現状があらためて気になった。脳性麻痺を有する子どもの痛み緩和について報告されている研究は少なかったことから,痛み緩和ケアの開発ができないかと考え,言語的表現が困難な脳性麻痺を有する子どもの痛みの状況と,その際に子どもが示す痛みのサインを捉え,痛み緩和ケアの開発をめざした。この結果をもとに臨床での活用を振り返り,「こどもセルフケア看護理論」を基盤とした実践モデルの構築に向けた取り組みについて述べる。
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