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本年3月,東京大学にて開催された第26回EAFONSでは,Keynote SpeakerとしてDr.Cheryl Tatano Beckが招聘されました。Dr.Beckは,言わずと知れた『看護研究—原理と方法』(医学書院刊)の著者の1人で,同時に産後うつの研究者としても名高く,産後うつスクリーニングスケールの開発をはじめ数多くの価値ある研究を積み重ねられています。この貴重な機会に,EAFONSに先立ってEAFONS' Pre-Congress Webinarと銘打ち,EAFONS代表理事で第26回EAFONS大会長の池田真理先生(東京大学大学院医学系研究科教授)ご協力のもと,Dr.Beckに講演いただきました(共催:東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター,一般社団法人日本看護系大学協議会,公益社団法人日本看護科学学会)。
近年,海外ではオープンサイエンスの潮流の中,アーカイブ化された質的データの二次分析が広がりつつあり,Dr.Beckも,産後うつに関する研究事例から二次分析に取り組まれています。日本でも今後重要となる取り組みとして,多くの関心を集めることが予想されます。そこで,講演ではDr.Beckにこれまでの研究事例を紹介いただきながら,二次分析のプロセスについて具体的に解説いただきました。本特集では,Dr.Beckによる書き下ろし原稿の形で,この講演のエッセンスをご紹介します。当日の質疑応答の質問にも,一部回答いただきました。本稿を通して質的データの二次分析のポイントを共有し,わが国でも,取り組みが進展していくことを願っています。池田真理先生と,講演の実現に尽力いただいた多くの方々に御礼申し上げます。
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