特集 批判的実在論とは何か
批判的実在論と看護研究について興味深い論文4選
木下 康仁
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.179
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201976
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1. DeForge, R., & Shaw, J.(2011).Back-and-fore-grounding ontology: Exploring the linkages between critical realism, pragmatism and methodologies in health and rehabilitation sciences. Nursing Inquiry, 19(1), 83-95, 2011
この論文はカナダのThe University of Western Ontarioで「健康とリハビリテーション科学における質的研究法」の授業をたまたま一緒に受講した博士課程の学生2名が,それぞれ自身の研究パラダイムを「存在論的—認識論的—価値論的—方法論的」関連性の視点から論じたものである。最初にDeForge,次にShawが,批判的実在論とプラグマティズムをパラダイムに,地域に根差した研究課題の方法論の選択をどのように行ったかを述べている。批判的実在論の階層化された実在をプラグマティズムとの関係で位置づけることで研究計画の基盤を形成し,また,それが研究の結果を支える基盤となっていることを経験的に述べている。結論として,単一のパラダイムではなく複合構成のパラダイムに基づく研究の可能性と課題を指摘している。
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