特集 批判的実在論とは何か
看護学研究における批判的実在論の使用—文献検討から
荒居 康子
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科看護社会学
pp.168-178
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201975
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はじめに
批判的実在論は,Roy Bhaskar (1944-2014)により1975 年に出された著書A Realist Theory of Scienceにおいて示された,科学と社会科学における哲学である[1]。近年,国外の看護文献において注目されてきており,また国内においても,批判的実在論を理解するための入門書的存在であるDanermarkらの著書の日本語訳『社会を説明する』が出版されている[2]。しかし,国内を含めて批判的実在論の使用の現状を報告しているものは見当たらないようである。そこで,国内外の看護学研究において批判的実在論がどのように議論され,具体的方法論として用いられているかについて,その概要を明らかにすることを目的とし,文献検討を行った。また,本稿は科研19K10814基盤研究(c)「看護学のメタ理論としての批判的実在論の可能性」(研究代表者:木下康仁)において行ったものである。
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