【連載】映画と、生きるということ(8)
矛盾に満ちた実在 オッペンハイマーを描く 『オッペンハイマー』
岩田 健太郎
1,2
1神戸大学大学院医学研究科 教授
2神戸大学医学部附属病院感染症内科 診療科長
pp.84-85
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.32181/jna.0000001619
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テーマは「オッペンハイマー」
僕の大好きな映画監督、クリストファー・ノーランの最新作。すでにご覧になった方も多いのではないか。アカデミー賞作品賞など多くの賞を受賞している本作品。ロバート・オッペンハイマーは実在した物理学者だ。1904年にニューヨークで生まれた彼は、ハーバード大学などで化学や物理学を学び、ナチス・ドイツとの戦いに活用すべく原爆開発プロジェクトのリーダーとなる。これがマンハッタン計画だ。世界初の核実験(トリニティ実験)は成功し、原爆は実用化される。というのが、多くの人が認識しているオッペンハイマーの経歴である。
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