特集 その研究を世界へ—国際学会で発表しよう 2
—Poster:発表者の立場から—国際学会発表の経験を修士論文に活かす—質的研究における分析切り口の試行錯誤から学会発表に至るまで
髙橋 好江
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1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻看護管理学分野博士後期課程
pp.358-362
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201661
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はじめに
修士課程2年目が始まったばかりの2018年春,指導教員の武村雪絵准教授より,海外の学会で研究内容を発表するお話をいただいた。その頃,私は修士論文執筆に向けて質的研究のデータ分析を行なっており,大量のデータに埋もれながら分析の糸口を見いだそうとしていた。私は看護系大学に進学する前に他大学で語学を専攻していたので,発表のための英語練習に注力する必要性がそれほどなかったことや,もともと修士論文は英語で執筆する予定だったこともあり,国際学会で発表することは大変よい機会であると捉えた。しかし,学会は自らの研究成果を発信する場である。分析中の未完の研究について何をどう学会で公表できるのだろう,という不安は大きかった。結果的に,先生方の指導のおかげで,同じデータを異なる視点で分析した演題を6月に登録し,10月に学会発表をすることができた。
本稿では,国際学会発表までのプロセスや,今回の経験が自分の修士論文のデータ分析や論文執筆にどう活かされたのかについて振り返りたい。今後国際学会発表を控えている方や検討されている方にとって,私の経験が少しでも参考になれば幸いである。
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