特集 "施設における母子看護調査"を読む
助産婦の確かな技術とやさしさ—調査担当者の立場から
安原 紀美子
1
1日本看護協会普及開発部
pp.717-720
発行日 1982年9月25日
Published Date 1982/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206079
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妊産婦とのつながりに喜び
"施設における母子看護調査"を実施する中で一番大切なのは,助産婦が今,仕事の充実感を何に見つけ,何を喜びと感じているかだと私は考えていた。今日の仕事に満足でき喜びをもてることが明日の仕事に新鮮な気持ちで立ち向かう勇気につながるのではないかと予測したのである。そして仕事の喜びをどんどん伸ばしていける方向を探していけば,助産婦の将来の方向性も自然に見つかるのではないだろうか,それが助産婦だけでなく患者側にとっても喜びとなるようであれば,それこそ大きな希望がもてるのに,と感じていた。
回収された調査票を前にして,自分なりの予測が妥当であったかどうか,ハラハラしながら集計を進めていったのだが,調査結果はとても嬉しいものだった。77%もの助産婦が「妊産婦に認められたり信頼される時」充実感を感じると言っている。そして自分の経験した事例について「何が満足だったか」という問いに対して,「妊産婦と深くかかわれたこと」「妊産婦と信頼関係を感じた」「妊産婦から喜ばれ,満足されたこと」が満足だったし嬉しかったという答えが返ってきた。自分のしたことが妊産婦に感謝されるそのことが,助産婦のさらなる意欲につながっているようすが文面から伝わってくるようだった。
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