焦点 看護における家族研究の課題
解説
家族援助における看護の視点—老人介護の受容過程と家族関係を中心として
高崎 絹子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.420-437
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
近年,あらゆる領域で家族への関心が高まっている。社会の変化に伴い,構造的にも機能的にも家族が大きく変化し,そのことがいろいろな面に影響を及ぼしているからである。
これまで,どちらかといえば,精神医学や心理学,あるいは看護の領域においても,分裂病者や,問題児や非行少年をもつ家族への技法として,親子関係の歪みに焦点を当てた家族関係論が展開されてきた。しかし,慢性疾患や老人が増え,現在,施設内の看護においても在宅ケアにおいても,障害をもった患者と家族の間で展開される心身の葛藤は大きく,かつ,複雑多様になってきている。その解消に向けて費やされるエネルギーは,当事者はもちろん,看護職をはじめとする保健医療福祉の担当者にとっても,大きな比重を占めており,看護援助における重要な課題となっている。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.