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特集 痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法
ぼけ老人の看護―介護者への援助の視点
Nursing for the Aged Patients with Dementia: Assistance to the Care-giver in the Family
小宮 勇
1
,
高野 静子
2
Isami KOMIYA
1
,
Sizuko TAKANO
2
1神奈川県横浜市港北保健所
2神奈川県横浜市瀬谷保健所
1Yokohama Kohoku Health Center.
2Yokohama Seya Health Center.
pp.752-757
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103671
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はじめに
横浜市が訪問看護婦を委嘱し,保健所を拠点としてねたきり老人の訪問看護を始めたのは昭和50年である.訪問看護事例の中で“ぼけ”に注目し始めたのは6~7年前で昭和57年の初回訪問患者でぼけ症状を呈する者は36.3%あった.その割合は現在もあまり変わらない.初回訪問後継続訪問が必要な者に対し訪問看護を行って来たが,その時点では,ねたきり老人とその介護者の問題が主で,ぼけの介護としては前面に出て来なかった.いわゆる“ぼけ”が問題となり相談事例が多くなって来たのは,昭和57年構浜市が「老人健康実態調査」を行ったこと,「家族の会」などが県下に発足して社会的関心が高まって来たこと等に加え,昭和58年老人保健事業の一つとして「老人精神衛生相談(ぼけ相談)」が行われるようになってからである.ぼけ相談者は年々増えている.筆者等が体験した“ぼけ相談”および訪問看護を通して,ぼけ老人の看護について,介護者への援助の視点から述べてみたい.
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