英語論文へのアプローチ
誤訳のすすめ(3)
内海 滉
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.359-371
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201034
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オーストラリアから手紙が届いた。筆者がその昔ミシガン大学に学んだ頃,同じクラスにいた同級生からのものである。一緒に統計学の授業に出ていた。彼は,Dr. Alexander L. Cicchinelliというイタリア系のアメリカ人である。現在,University of New South Walesに勤めている。
手紙は前回のくだり(本誌22巻3号,p. 76)で,"By this is meant,……"を筆者が彼に質問したことに答えてきたものである。筆者は,彼が専門外ではあるにせよ,同じように論文を執筆する彼としてその文章をどう感ずるのか,By this it is meant,あるいはBy this is it meant,のように,itが挿入されたほうが自然に感じるのではないだろうか(ドイツ文法でも定形倒置のesの省略には一定の法則がある),あなたがeditorの立場だったら,原著者にどう対応するかと尋ねてみたのである。これに対して:
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