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海外論文
地域住民中年層を対象としたコーピングの分析
An Analysis of Coping in a Middle-Aged Community Sample
Susan Folkman
1
,
Richard S. Lazarus
2
,
黒田 裕子
3
,
中西 睦子
4
1California大学Berkeley校心理学部,Stress and Coping Project
2California大学Berkeley校心理学部
3聖路加看護大学大学院博士課程
4日本赤十字看護大学
pp.337-359
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200984
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この研究は,45歳から64歳の100人の男女が,この1年の間に日常生活の中でストレスの多い出来事に,どのように対処(コーピング)しているかを分析したものである。ここではLazarusによる心理学的ストレスの分析のための認知論的‐現象学的枠組を用いる。被験者からは,ここ最近ストレスの多い出来事encountersを体験したかどうかについての情報を,毎月のインタビューとそのインタビューの合間の自己報告による質問紙から得た。さらに被験者には毎回のインタビューと質問紙の最後で,68項目からなる対処(コーピング)のし方チェックリストを用いて,ストレスの多い出来事に対して行なってきた対処(コーピング)行動や,その際いろいろ考えたことに関して回答してもらった。各被験者は平均13.3件のエピソードを報告した。問題中心型コーピング,情動中心型コーピングというコーピングの2つの機能は,別々の測定尺度で分析した。
この2つの型のコーピングは1,332件のエピソードに,どちらも98%使われていた。これによってコーピングを防衛的か,問題解決的かいずれかによってみようとする概念化のし方は不完全であって,両方の機能が常に含まれていることがわかった。個人についてみたコーピングの分析では,コーピング・パタンは必ずしも一貫しておらず,人によってさまざまであることもわかった。
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