連載 快より始めよ。・1【新連載】
心に働きかけるパーソナルソング
山元 裕子
1
,
出水 眞由美
1
1一般社団法人藤元メディカルシステム藤元病院
pp.166-169
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200455
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変化のない状況を、音楽が変える
私たちが働く病棟は男性閉鎖病棟で、統合失調症や認知症の長期入院である患者さんが多く、平均年齢は70代、ベッド数は60床です。スタッフ数は、主治医1名、看護師22名、准看護師2名、看護補助7名です。患者さんは日常生活動作(以下ADL)に全介助を要し、1日の大半をベッド上で過ごされる方が半数を占めています。家族は高齢化し、仕事の関係者の面会も少なく、またスタッフのマンパワー不足や経験不足もあり、通常の看護介入以外の声かけが十分にできない状況にあります。そのような状況で、1日中ベッド上で過ごす患者さんはどのような思いで過ごされているだろうか、と心を痛めることがあります。
当病棟では2年前から、主に自立している患者さんを対象にラジオ体操やレクレーションなどを行うなかで、音楽を流すことを日課にしていました。そうした際は、普段は見られない患者さんの笑顔や言語に接することができ、音楽が生きる意欲や楽しみにつながっていると感じられる嬉しい変化が見られました。
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