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焦点 Coping
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ストレス-対処モデル
A Stress-Coping Model
D. W Scott
1
,
M. T. Oberst
1
,
M. J. Dropkin
1
,
森山 美知子
2
,
中西 睦子
3
1Department of Nursing Research, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
2日本赤十字社医療センター
3日本赤十字看護大学
pp.231-242
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200972
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モデルや科学のパラダイムは,現象の類型
(class)に関する相互に関連し合った基本的前提の集まりであるとThomas Kuhn1)は述べる。モデルは発見的(heuristic)な価値を有し,現象を観察したり分析するため緊密に組み合わされたプロトコールまたは一連の手順を提供する。看護のような応用科学の場合にも,モデルは有益である。なぜなら,モデルは理論的諸前提や,研究に基づいた知識,診断的問題解決および臨床的介入を結びつけていくからである。モデルは概念と行為をつなぐ鎖であり,これは看護実践の効果と治療的価値とを向上させることをめざすような一連の研究計画の構造と過程に一貫性を与えるための1つの道具として働く。
看護研究のためのストレス-対処の枠組,またはモデルの開発は,すでにGoosen,Bush2)およびRoy3)によって試みられた。他にも看護に利用できる多くの枠組がある4,5-22)。しかし,WildとHanes21)がいうように,看護の場合,枠組の開発の基礎となっている理論的および操作的構成概念の連続性が欠けているため,モデル開発は成し遂げられていない。これまでのところ,力動的なモデルを考案しようという試みはほとんどなされていない。つまり,適応過程の全体像を描写し,かつ人間と環境との相互作用を完全に把握しうるようなモデルはまだない。
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