焦点 ソーシャル・サポート・3
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Jane S. Norbeck
1
,
神戸 恵子
2
,
Clarann Weinert
3
,
Jane M. Cardea
4
,
Elizabeth R. Lenz
5
,
Shirley A. Murphy
1カリフォルニア大学サンフランシスコ校看護学部
2日本赤十字看護大学図書館
3モンタナ州立大学看護単科大学
4アリゾナ大学看護単科大学
5メリーランド大学看護学部
pp.370-380
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200939
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このシンポジウムで発表された5つの論文は,1980年代のソーシャル・サポートに関する文献に大変寄与するものである。ソーシャル・サポートの分野では,1980年代の文献は,初期の文献に比べ,かなり多様で,問題提起を含み,しかもダイナミックである。実際に,Barrera(1986)は最近,ソーシャル・サポートという言葉を社会的に固定された概念や人々に知覚されたサポートあるいは実際になされたサポートから区別するために,より洗練された言葉に置き換えるべきだと提案している。そして彼は,これらの各々の概念に関して,苦痛に対する異なった効果を概説しながら,理論的モデルを提示している。
このシンポジウムの成果は高く評価されるものではあるが,哲学者が社会科学はすでにプレパラダイムの段階を過ぎてしまったかどうかを論議していることを考えれば,また,単一の変数がパラダイムとみなされることがまずありえないとすれば,このシンポジウムの成果を科学革命とみなすのは少々大げさすぎる。しかし,このシンポジウムでは,ロマン主義を排し,ストレスを緩和したり人間の基本的要求を満たすソーシャル・ネットワークの役割がよりバランスよく現実的に描写され,ここで論じられた問題は,いずれもソーシャル・サポートという理論的構成概念の成熟を示している(Gottlieb, in press)。
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