焦点 ソーシャル・サポート・1
解説
ソーシャル・サポート研究の動向と今後の課題
久田 満
1
1慶應義塾大学
pp.170-179
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200915
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
Ⅰ.序―ソーシャル・サポート研究前史
今,ソーシャル・サポートが注目されている。欧米では,ソーシャル・サポート研究は人間の健康に関するあらゆる分野においてひとつのブームにさえなっている。筆者の専攻する心理学に限ってみても,"Social Support Networks"という用語がPsychological Abstractに登場した1982年以後わずか2年間で,実に450を越える論文が発表されているという(Brownell & Shumarker,1984)。特集を組む専門雑誌**もあいついでいる。
一方,わが国では,看護学や心理学のみならず,精神医学,社会学,社会福祉学,組織行動学などの領域で確かに関心がもたれ始めてはいるが,このテーマについてのまとまった紹介がなされたのはごく最近であり(南,1986;山本,1986),実証的な研究はまだ始まったばかりであるといえる。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.