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焦点 看護研究と概念枠組
討議素材・1
感覚変容を伴う外科的治療を受けた患者のコーピング行動に与える感覚情報と行動指導の効果
Sensory Information, Behavioral Instructions and Coping with Sensory Alteration Surgery
Betty J. Hill
1
,
黒江 ゆり子
2
1Northern Michigan大学看護・健康科学部
2元:聖路加看護大学
pp.326-333
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200886
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この研究は,外科的治療の対象となった白内障患者に,行動型パーソナルコントロールないし認知型パーソナルコントロールにかかわる情報を提供し,それらが手術後の見当識(orientation),不確定刺激体験(indeterminate stimulas experiences),情緒的状態(mood),実行行動(performance)にどんな影響を与えるか,それぞれの効果を比較検討したものである(EIIis, 1972;Johnson, 1975;Seligman, 1975)。被験者は50歳以上の白内障患者で,初回の片眼の手術が予定されている40人である。
実験条件は次の4つを採用し,各条件への患者の配分は無作為とした。(1)行動に関する指導(行動型コントロール),(2)感覚情報の提供(認知型コントロール),(3)行動指導と感覚情報の両者併用,(4)一般的情報の提供,である。実験では,行動型コントロールあるいは認知型コントロールのどちらによる介入も従属変数に対して有意味な効果を与えるという結果は得られなかった。しかしながら,行動型と認知型コントロールの両方を併用した混合型介入では,退院から最初の外出までの日数が有意に少ないという結果を得た。患者が訴える不確定刺激体験の頻度では,4条件のグループ間に有意差を認めなかった。
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