行動療法，行動変容，行動分析

行動療法（Behavior Therapy）

　人間の不適応行動に対して，自己概念（意識）や生育史などの個人の内面に重点をおき，心のなかにあるものを治療の対象とする伝統的な心理療法とは対照的に，行動上の問題に重点をおき，学習心理学の理論や実験によって得られた実証的な知識（学習法則）を問題の改善に応用する行動療法が，20世紀前半から行われるようになった．

　行動療法では，適応的でない行動は後天的に学習されたものと考え，学習の理論や法則に基づく技法を用いて，そのような行動を消去，減少，変容するか，もしくは適切な行動を形成する．すなわち，治療は誤学習した行動の再学習であり，治療は科学的，客観的で，検証可能なものである．