焦点 主観と客観
解説
物理学における主観と客観の問題
佐野 正博
1
1東京理科大学工学部
pp.175-181
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200756
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物理学における主観と客観の問題は,2つの視点から論じることができる。
第一は,物理学の諸理論において主観と客観のあり方がどのようなものであるか,という視点からである。このように物理学に内在した視点からは,主観と客観の問題は,観測者と観測対象の問題として取り扱われる。言い換えれば,観測者を主観観測対象を客観として,主観によって客観がどのように捉えられるかという視点から論じられる。この視点から論じたものとしては,たとえば,量子力学における観測問題がある1)。
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