とびら
「active」への主観
小堀 愛司
1
1札幌市発達医療センター
pp.993
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100606
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「active」という言葉は理学療法において日常的によく使われる言葉のひとつである.代表的なものには運動療法の基本としてのactive movement(自動運動),active assistive movement(自動介助運動)などがあり,これに対応したpassive movement(他動運動),resis-tive movement(抵抗運動)を加えた四つの用語は学生時代の最初に覚えた専門用語かもしれない.一方,小児中枢性疾患の治療においては子どもの運動パターンを促通していく際に,他動的にならず子ども自身が自分から運動を起こし活動していくようにという意味で,「activeに」が強調されるようになってきているように思われる.
私は小児分野に働く理学療法士だが,小児領域の理学療法が他の分野の理学療法士から特別視されたり,また小児分野の理学療法士自身もそう思っている傾向が強いことに以前から違和感を感じている.これは何々法といった特有の治療法が小児理学療法の主流を成していることも関係しているのかもしれない.最近になってやっと小児分野においても呼吸理学療法や徒手療法なども取り入れられるようになってきた.そこでちょっと基本に戻り様々な治療技術や手技を運動療法における基本的な四つの運動に照らし合わせて考えてみると,例えば呼吸の介助において呼吸運動をactiveなものとしてとらえた場合,肺の換気改善を目的とした呼吸介助は自動介助運動でなければならない.もし排痰を意識するあまり圧を強めるとそれはもはや自動運動を阻害することになる.
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