焦点 主観と客観
解説
心理学における客観化の歴史
鹿取 廣人
1
1東京大学教養学部心理学教室
pp.182-185
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200757
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はじめに
看護研究の動向については寡聞にして,あまり詳しくは知らないが,看護が1つの学問として,先進科学の仲間入りをしようと努力していることは聞き及んでいる。新たな学問分野を開拓することは容易ならぬことであり,その道は苦難の連続であろうと推察する。心理学もその誕生以来,常に科学たらんとして努力を重ね,不十分ではあるがやっと今日の地歩を築いてきた。
そこで,看護学の今後の歩みの参考にでもなればと考え,ここにその歴史を概観し,科学としての客観性が,心理学においてどのようにして成立してきたかを見てみよう。
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