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海外論文
看護哲学と現代看護の問題
Philosophy of Nursing and Current Nursing Problems
Vassiliki A. Lanara
1
,
村島 幸代
2
1アテネの伝道医学センター看護サービス部門
2神奈川県立衛生短期大学
pp.335-342,357
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200525
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看護の哲学
Philosophy(哲学)とは,知を愛するということであり,二つのギリシャ語"philo"(愛)と"sophia"(知)に由来している。知を愛するということは,知識があるということよりも,それが欠除しているということを意味している。したがって,哲学的であるということは,知識量があるということよりもむしろ,知識をもちたいという態度や精神や意志を持っているということである。
人間が経験するあらゆる領域は,哲学的探究の主題として適当であり,看護もまたその例外ではない。哲学は,一貫した世界観を作り上げる手助けとなる。そしてこの世界観が,日常の経験に意味を与える。人間とその問題を常に扱うヘルス=サービスの従事者ほど,この種の観点を必要とする人はいない。看護婦は,身体的・感情的・心理的・精神的・医学的・社会的に健康上のニードを持つ人々と絶えず接触している。看護婦(もしくは医者)がもつ独自の人生観は,型通りに施される治療と同じくらいの影響を,患者の回復に及ぼし,患者が自分の人生に意味を見出す手助けとなりうる。ファィブルマン(Feibleman)は,個々人が自分の進歩を測り,絶えずその進路を修正することによって生活パターンを作っていくという行動の中で,進歩を促進させるものとして哲学を把えている。
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