日本看護診断学会・第28回学術大会報告 【教育講演・2】
看護のための哲学思考
小川 仁志
1
Hitoshi Ogawa
1
1山口大学国際総合科学部
1Yamaguchi University, Faculty of Global and Science Studies
キーワード:
哲学思考
,
言葉
,
創造
Keyword:
哲学思考
,
言葉
,
創造
pp.29-33
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200069
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哲学とは思い込みを超えて,物事を多様な視点からとらえ直す営みだといっていい.その結果,新たな言葉を創造することになる.そうした一連のプロセスを哲学思考として位置づけることで,その営みはあらゆる分野に適用可能な汎用性のあるツールとなりうる.
本稿では,そのプロセスにおいて活用することのできる哲学の英知を,あくまで技術として紹介するものである.とりわけそれらを看護診断の場面にどう適用すればいいのか,それによってどのような変化がもたらされるのかについて論じていく.
具体的には,疑う,視点を変える,再構成するという哲学の各プロセスに即して,主体や客体の逆説的なとらえ方,あるいは事態や世界の意外なとらえ方など,先人の残してくれた様々な英知を取り上げる.そして最終的には,今後の看護や看護診断のあり方に関し,哲学の観点から展望を示す.
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