研究
看護面接場面における学術語出現頻度分布に関する一考察—非言語的看護情報工学的アプローチ
上條 史枝
1
1千葉大学教育学部特別教科教員養成課程(看護基礎学)
pp.310-317
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200469
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緒 言
母親が背中におぶった赤ん坊をあやす時に,赤ん坊が理解しようがしまいが自分勝手な言葉を赤ん坊に話しかける場面にわれわれはしばしば遭遇する。たとえば電車は満員だとか,野菜は値上がりしたとか‥‥。背中の生まれたての赤ん坊には何ら関係のないことが母親の声として耳元でささやかれている時,その言葉は本当に赤ん坊にとって無意義なものであろうか。
また一方,臨床においてわれわれのしばしば経験するものの一つに,看護婦の事務的ないわばトゲトゲしい命令口調がある。これに患者が文句なしに従うならば,検温にせよ投薬にせよあるいは入浴にせよ,医学的に同一の行為を行う限り,その効果は全く同じものと考えてよいのであろうか。やわらかい言葉と紋切り型の言葉とでは聞く者にとってだいぶ感じが違うが,医学の世界では結局その治療を行えば果してそれで同じ結果となるのであろうか。
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