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海外論文
入院患者のための看護婦による集団療法の効果
The Efficacy of Group Therapy by Nurses for Hospitalized Patients
Margaret T. Beard
,
Pasty Y. Scott
1
,
内海 滉
2
1Veterans Administration Hospital
2千葉大学教育学部(看護基礎学)
pp.31-37
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200447
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慢性精神病患者に対する看護婦による集団療法の効果を検討するため,Georgia州AugustaにあるVeterans Administration Hospitalの退行性および持続治療病棟とcommunity care病棟に入院中の30歳から59歳までの患者100人に対して,その年齢・診断・入院期間等を分類して,実験群と対照群とを比較観察した。
実験群の患者は2人の看護婦の指導する集団療法の会に週2回出席し,対照群の患者は出席しなかった。全被験者について,2人の看護助手が看護婦用入院患者観察判定尺度30項により集団療法の前後に測定し,t検定を用いて治療効果を判定した。退行期病棟のデータでは指導者と患者との相互作用が認められ,ソシオグラムは79%に正の相関を示した。集団療法中の話題は妄想に関する自然界のものが最も多く,ついで,病院・家庭における人間関係の事柄であった。これらのデータは,特に慢性の精神病棟に入院している人々に対し,集団療法を用いることが有効であることを示している。
精神病患者には,その取扱上特に集団療法が望ましい。したがって,看護婦はよくその技術に習熟すべきであると思う。患者の興奮時などに,看護婦が処方を出す権限がないので,集団療法を行なう合法性を疑問視する州も2, 3あるが,看護学が患者に対する看護者の言語と人間関係の技術である限り,それを研究し応用することには何ら法的制約はない(Slnith, 1973)。
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