特集 看護の場は個を生かしうるか
出口なき看護婦集団
久米 和興
1
1国立武蔵療養所
pp.1207-1210
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918272
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はじめに
‘私という看護婦’として,この病棟に勤務している,と自負できる者は,現状ではまれであろう.むしろいつでも交換可能,使い捨て可能な無名の一看護婦として自らを規定してしまっているのが私たちの姿ではないだろうか.
私は時々,私の持っている能力が貧弱であるからそうなるのだという見方をしたくなる.けれどそればかりとは言えまい.なぜなら看護婦は看護婦として職務についた時から,属した病棟の看護婦集団の構成員として能力を発揮するよう,要請され続けるからである.
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