研究
言語計量の角度から見た看護場面の分析—看護情報工学試論
有海 哲
1
1千葉大学教育学部特別教科看護課程(看護基礎学)
pp.54-79
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200449
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1.看護者・療養者間の相談面接場面における言語活動について,発言時間・言語量・言語速度・相互言語速度比につき調査した。
2.面接における言語速度を言語量と発言時間との商により算出した。自験例2例において理解および納得のレベルを比較する時,言語速度自体は決してそのパラメーターにはなり得なかった。
3.しかし,相談をA,B,C,Dの4段階に分け,その発言傾向を比較する時,A段階は看護者ならびに療養者の言語生活環境および人格により言語速度比はまちまちとなるが,B段階における相互のそれは,信頼感の成立を物語り,C,D段階に移るに従って,それが上昇する傾向にあった。
5.完全な理解と納得のためには,適宜に冗慢な言語を折り込み,よき聞き役として常に快適な雰囲気を演出する必要がある。
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