綜説・今月の臨床
食道癌術前術後補助療法の効果
磯野 可一
1
,
坂本 昭雄
1
Kaichi ISONO
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.237-242
発行日 1995年2月20日
Published Date 1995/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901791
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Ⅰ.はじめに
周術期管理の向上により,胸部食道癌の手術成績は著明に改善している.一方,診断法の進歩により早期癌が数多く発見されるようになってきたことや,進行癌における3領域郭清に代表されるごとくリンパ節の拡大郭清などから,予後の改善が認められるようになってきた.しかし,stageⅢ,Ⅳの進行癌がいまだに多くを占めており,その遠隔成績は他の消化器癌と比べると良好とはいえないため,術前術後に様々な補助療法を行わざるをえないのが現状である.
補助療法としては,放射線療法,化学療法や免疫療法に加えて時に温熱療法が行われており,最近ではサイトカイン療法も試みられるようになってきており,現在では,これらの治療法を術前後に併用した集学的治療が主体となってきている.
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