研究
わが国における職業看護のめばえ
高嶋 妙子
1,2
1慶応大学文学部史学科
2北里大学病院
pp.265-292
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200289
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まえがき
大漢和辞典によると,「看」のもつ意味に,①見る。手をかざして望む。②訪問する。みまふ。③見守る。番する。等,いろいろある。手と目の組合わせから,語源は当然,手を目の上にかざして望み見る意にあるわけだが,それが転じて「見守る」となる。「みまふ」とは「見守る」こととしてよいだろう。これがそのまま「看護」の意である。「看病」と同義である。
私は,10年間,看護を職業として生きてきたが,看護とは何だろうかとの思いにつきあたること再三であった。漢和辞典の意味そのままであれば疑問はないのだが,医療チーム内での要請から,「病人の世話をする,みとり,介抱」はさておいての看護という職業であったりすることが,しばしばであった。
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