増刊号特集 1.博士論文を書くということ─あのときの問いといまの問い
博士論文作成過程から得た力
横山 由美
1
1自治医科大学看護学部
pp.355-358
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100933
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博士課程に進むきっかけ
修士課程修了後,大学教員をして10年を過ぎた頃から,私はこのまま大学教員を続けるのであれば,博士課程に進学しなければならないと考えるようになった。修士課程では,障害をもつ子どもの教育が学びたいと思っていたのだが,そのときとは大きく異なる。
修士課程では,障害をもつ子どもへの医療・看護ではないかかわりを知ることを目的とした。大学を卒業後,総合病院の新生児室で出生直後の健康な子どもや呼吸器管理の必要な子どもの看護を経験した。その中で,ダウン症候群のお子さんやその他の障害をもつお子さんとご家族にかかわることが何度かあった。出会ったご家族の多くはその事実を知った瞬間に泣き叫んだり,受け入れるまでに時間を要したり,家族内での意見が合わず医療関係者と何度も話し合いをしたりしていた。
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