特集 質的研究方法を用いた博士論文作成指導の技法―メンタリングプロセスに焦点を当てて
博士論文作成指導に関する今後のあり方―私はこう考える①
グレッグ 美鈴
1
1神戸市看護大学
pp.410-412
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100807
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少し古いデータになるが,2008年に実施された日本の博士後期課程の評価研究で,「あなたの博士課程の教員による教育の質についてどう思いますか」の質問に,「優れている」あるいは「良い」と答えた院生は,約60%であり,修了生では70%を超えるが,教員は約30%と低かった。一方,院生の約40%は,「博士論文作成プロセスにおいて教員が個別指導をする時間を十分に取っていない」と答え,20%以上が「教員が多様でやりがいのある学習経験を提供していない」と回答した(Nagata, et al., 2012)。
これらのことから,faculty development(以下,FD)の重要性が指摘されていた。文部科学省も大学院におけるFDの必要性を強調している。その意味でも今回の科研「看護学の知識体系を構築するための質的研究方法を用いた学位論文指導プログラムの作成」に参加できたことは,私のFDとしても意味があった。そこで本稿では,この科研に参加して学んだこと,そこから今後の指導のあり方として考えたことを書きたい。
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