特集 看護学において若手研究者をどう育てるか?(II)
若手研究者育成の歴史を紐解く―日本学術会議若手アカデミーの活動と看護界の展望
西村 ユミ
1
1首都大学東京健康福祉学部
キーワード:
若手アカデミー
,
日本学術会議
,
若手研究者ネットワーク
Keyword:
若手アカデミー
,
日本学術会議
,
若手研究者ネットワーク
pp.87-96
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100882
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はじめに
2012年より,私は日本看護科学学会(Japan Academy of Nursing Science ; JANS)若手アカデミー発足のための準備に携わってきた。きっかけは,日本学術会議若手アカデミーより,国内の全学協会,および若手の会に向けて,このアカデミーの活動への参加が呼びかけられたことにある。私は,若手の会の設立を検討していたJANSの代表として,この会に登録し,その後も継続して情報交換を続けている。
前号の特集(本誌47巻1号)において,小松(2014)日本看護科学学会前理事長によりその経緯が記された通り,看護学においては,若手の育成,若手の研究のインフラストラクチャーの整備等々が課題になっている。それを,1つの学会や組織の中でだけで検討するのではなく,多領域,他分野との交流を介して,問題の共有や特定,情報収集・交換をしつつ,若手の会の芽を見いだし,支え,育て,自立へと向かうことがめざされたのである。その際,こうした運動を支える組織として「若手の会」が検討された。
私はこの役割を通して,国内外の若手アカデミー活動について,いくつかの情報を得た。また,これは現在進行形の活動でもあるため,頻繁に新たな情報と接する現状にある。本稿では,若手アカデミーの活動の経緯と進行しつつある現状を紹介するとともに,看護学領域の若手の会の展望について,私の考えることを述べたい。
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