特集 質的研究方法を用いた博士論文作成指導の技法―メンタリングプロセスに焦点を当てて
博士論文作成指導におけるメンタリングプロセス―『Journal of Nursing Education』への投稿を通じて
萱間 真美
1
,
グレッグ 美鈴
2
,
麻原 きよみ
1
,
山本 則子
3
,
大熊 恵子
4
,
太田 喜久子
5
,
木下 康仁
6
1聖路加看護大学
2神戸市看護大学
3東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
4聖路加看護大学大学院看護学研究科博士後期課程
5慶應義塾大学看護医療学部
6立教大学社会学部
キーワード:
博士論文
,
メンタリング
,
質的研究方法
,
インタビュー
,
英文投稿
Keyword:
博士論文
,
メンタリング
,
質的研究方法
,
インタビュー
,
英文投稿
pp.374-381
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100802
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論文投稿まで
本稿では,まず,日本の看護系大学院教育における博士論文の指導プロセスについてまとめた筆者らの論文を紹介する。そして,その論文の投稿と査読のプロセスを紹介しながら,わが国の博士論文作成指導におけるメンタリングプロセスの実際について筆者が得たことを述べる。論文は,本特集の研究の概要で述べたように(pp.363-365),大学院において博士論文の指導を行なっており,現在1本以上の質的研究方法を用いた博士論文の作成を指導しており,すでに主査または副査として3本以上の博士論文審査に関与したことのある教員を対象としてインタビュー調査を行なったものである。
上記の条件を満たす指導者に対してインタビューを依頼し,同意を得た対象者に対して最大90分の半構造化インタビューを1回行なって,①質的研究方法に関する博士課程の授業体系と内容,②博士論文作成までの指導の実際,③論文審査のプロセスと実際について尋ねた。インタビューは対象者の了解を得て録音し,逐語録を作成した。このインタビューでは,研究班で作成した「質的研究方法を用いた学位論文評価基準」の評価項目のそれぞれについて,実際にどのように指導するかを質問した。この項目は論文作成の時系列に沿った項目の構成であるため,対象者に指導プロセスの詳細を想起してもらうインタビューガイドとして役立った。
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