特集 研究の普及を支える基盤としての論文執筆
研究の普及を支える基盤
前田 樹海
1
1東京有明医療大学看護学部
キーワード:
研究成果の普及
,
知識ベース
,
オープンアクセス
Keyword:
研究成果の普及
,
知識ベース
,
オープンアクセス
pp.103-112
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100630
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適正な知識ベースの構築
ステマの基礎知識
2012年1月4日,「ステマ」がGoogleの検索ワードで第1位となった。ステマとはステルスマーケティング(stealth marketing)の略称である。このステルスという言葉,特殊な塗装やデザインを駆使して,相手のレーダーや赤外線などのセンサで発見されずにこっそり飛行することができる「ステルス機」などでなじみが深い。また,コンピュータセキュリティ上,「ステルス攻撃」といえば,ユーザに全くわからないように感染するウイルスによる攻撃のことである。
それら同様,ステマとは,宣伝広告,販売促進,世論形成などの市場活動を,消費者にそれとわからないようにこっそりと行なうことであり,ヤラセやサクラとほぼ同義といってよい。例えば,twitterでフォロワーを多数擁する有名人や,影響力のあるブロガーが,企業から金銭もしくは現物を受け取って,特定の商品のユーザであることを呟いたり,その商品を褒めたりすることによって,一般の閲覧者の購買意欲に結びつけるような隠密市場活動がステマにあたる。卑近な例では,Googleの検索ワードで「ステマ」が1位となった同日に発覚した「食べログ」ランキング操作事件が記憶に新しい。これは,飲食店ランキングサイト「食べログ」で,飲食店側から金銭で順位上昇を請け負った「やらせ業者」が一般のレビューワを装って高評価の書き込みを行ない,ランキングを不正に操作したとされるものである(スポニチ,2012)。
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