焦点 看護学の基盤形成にいかすメタ統合―質的研究の蓄積と活用
[解説]
質的研究のメタ統合におけるメタエスノグラフィー
鳥田 美紀代
1
1千葉大学看護学部
キーワード:
メタ統合
,
メタエスノグラフィー
Keyword:
メタ統合
,
メタエスノグラフィー
pp.367-371
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100328
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はじめに
本稿では質的研究のメタ統合の方法の1つとして,NoblitとHare(1988)の提唱するメタエスノグラフィーの手法について紹介する。
筆者は,千葉大学21世紀COEプログラム「日本文化型看護学の創出・国際発信拠点(実践知に基づく看護学の確立と展開)」のプロジェクトに大学院生として参加し,日本文化に根ざした対人援助関係の構築に関する実践知の抽出・統合に取り組んだ。
国内の質的研究論文を概観すると,その成果には確かに“日本文化に根ざした看護の実践知”の存在が感じられた。しかし,研究目的や対象の特性,研究の方法の全く異なるこれらの研究の成果をどのように抽出すればいいのか,どのようにすれば活用できる看護学の知識として形になるのか,という課題に直面した。そんなとき,このメタエスノグラフィーの手法に出会い,質的研究論文の成果をメタ統合することによって,新たな実践知を創出できるのではないかと考え,研究に取り組んだ。
本稿では,NoblitとHareの著書『Meta-Ethnography : Synthesizing Qualitative Studies』(1988)に基づいて,メタエスノグラフィーの手法について紹介していきたい。
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