連載 論文を理解するための統計学【重回帰分析篇】・2
重回帰分析を実際に行なってみる
中山 和弘
1
1聖路加看護大学
pp.335-345
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100324
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重回帰分析の目的変数と説明変数は?
◆1つの量的データを複数の量的データで予測する
多変量解析にはいくつもの手法があります。そのなかで,重回帰分析はいちばんシンプルで基本的なものです。また,最も頻繁に用いられる手法の1つでもあり,他の多変量解析の基礎ともなっているものです。
使う場面としては,1つの量的なデータを複数の量的なデータで予測するときです(図1)。目的変数(従属変数)が量的なデータで,説明変数(独立変数)も量的なデータです。2変数の関連であれば,相関係数が用いられる場面にあたります。実際,相関係数の計算から,説明変数の数を増やしたもので,その延長線上にあるといえます。ただし,多変量解析になると,説明変数間の関連が気をつけるべき大きな問題となります。そのことは,重回帰分析の基本的なところを押さえた後で,次回の「多変量解析ならではのちょっと難しい説明変数間の関連」というところで説明したいと思います。
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