焦点 理論・研究・実践を総合するリフレクション
構成的グループエンカウンターとリフレクション
前田 ひとみ
1
,
津田 紀子
2,3
1熊本大学医学部保健学科
2神戸大学
3前・宮崎大学医学部看護学科
キーワード:
構成的グループエンカウンター
,
リフレクション
,
自己効力感
,
自尊感情
,
信念
Keyword:
構成的グループエンカウンター
,
リフレクション
,
自己効力感
,
自尊感情
,
信念
pp.217-227
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100310
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ケアリングを導き出すもの
Schön(1983/2001)は,著書『専門家の知恵』のなかで,実証科学における専門家は「技術的合理性」を根本原理としているが,実践の現場は複雑性,不確実性,不安定さ,独自性,価値葛藤という現状を抱えているため,「厳密性」を求める「技術的合理性」のモデルでは対処できない。その結果,看護職などの実践領域の専門職は,これまで専門家としては低い位置におかれてきたと説明している。
1950年代頃よりアメリカでは看護の理論開発が進み,Leininger(1991/1995)は文化人類学的研究から,看護における知的,実践的な焦点のなかで,最も統合的で支配的で中心的なものとなるのはケアリングであると述べている。その後,Watsonなど多くの研究者によって看護の中核にあるものとしてケアリングが位置づけられるようになった。ケアには「心配」「不安」など感情を伴った意味と,「世話をする」といった行動が含まれる。看護職者は対象者に対し,どのようなケアを,いつ,どこで,どのように提供すべきかなどの選択や決定を常に行なっている。ケアの選択や決断は,看護職者の価値によって導き出されている。
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