焦点 予防看護学研究の進展
セルフケア研究と予防看護学―糖尿病患者セルフケア能力測定ツール開発研究を通して
清水 安子
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻統合保健看護科学分野看護実践開発科学講座
キーワード:
セルフケア
,
予防看護
,
測定用具開発
,
慢性病看護
Keyword:
セルフケア
,
予防看護
,
測定用具開発
,
慢性病看護
pp.533-538
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100273
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はじめに
2型糖尿病は生活習慣病の1つであり,その発症にはそれまでの食事や運動といった生活習慣が影響している。そのため2型糖尿病と診断されてからの治療だけでなく,予防のための対策が可能であり,その重要性が指摘されているところである。そして,さらに,欧米ではDiabetes Prevention Program(Knowler et al., 2002)やDiabetes Prevention Study(Lindstrom et al., 2003)など2型糖尿病の1次予防に関する大規模介入研究が行なわれ,生活習慣改善群において糖尿病への進展リスクを抑えられることがエビデンスとして示され始めた。日本においても厚生労働省が大規模介入研究として糖尿病予防のための戦略的研究を,5か年計画で2005年よりスタートさせた。
生活習慣の改善は,その人自身が自分の健康のために自ら行なう行動であり,セルフケアの1つである。その人がよりよいセルフケアを行なえるようになることが糖尿病の予防につながる。
こうした現状を踏まえた上で,現在行なっている糖尿病患者のセルフケア能力測定ツール開発のための研究の経過をたどりつつ,予防看護学の視点からみたセルフケア研究の今後の課題を考えてみたい。
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