焦点 高度専門看護実践の可視化とアルゴリズムの抽出
糖尿病自己管理教育(食事療法)の高度専門看護実践アルゴリズム試案―「認知と行動」に依拠するアルゴリズムは可能か
河口 てる子
1
,
東 めぐみ
2
,
横山 悦子
1
,
中西 睦子
3
,
水流 聡子
4
1日本赤十字看護大学
2日本大学駿河台病院看護部
3国際医療福祉大学
4東京大学大学院工学系研究科
キーワード:
糖尿病
,
自己管理教育
,
食事療法
,
アルゴリズム
,
プログラムドケア
Keyword:
糖尿病
,
自己管理教育
,
食事療法
,
アルゴリズム
,
プログラムドケア
pp.579-592
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100046
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はじめに
熟練看護師による高度な患者教育は,患者の行動変容とその看護師への深い信頼感をもたらすが,その患者教育の中身に関しては,今までほとんど言語化,要素化されてこなかった。この実践は,熟練看護師の高度な「こつ,技」であるといわれ,長い間患者教育に関心をもつ臨床看護師や研究者の間では,非常に個別性の高い複雑で高度な看護ケアであるとされていた。しかし,もしこれら熟練看護師の高度な患者教育実践を「判断の材料となっているデータ」,「アセスメント指標」,そして「看護行為」に分解し,要素化することが可能であれば,多くの看護師がスタンダードケアのみでなく,高度な看護実践を行なうことが可能になる。それによって患者に多くの益をもたらすことができれば,どんなに幸せであろうか。そこで,河口らの研究グループは,患者教育に関して高度専門看護実践を可視化することが可能かどうか,試行錯誤してきた。本論文は,糖尿病の自己管理教育,そのなかでも食事療法指導について,高度な専門看護実践の可視化を試みた結果である。
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